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さまざまな沖縄ガラスのうつわのカタチと技法についてご紹介してきました。沖縄地元の需要だけではなく、観光土産として、全国へ個性を発信するために作風は移り変わってゆきます。「手仕事ブーム」の波がじわじわと押し寄せてきている、ここ数年だけでも変化が感じられます。
それは作る、販売する、使う、どのポジションの人もまた変化しているからです。




面白いエピソードがあります。むかしの沖縄再生ガラスとは、沖のブイやランプのほや、スクガラスという小魚の塩漬けを入れて販売するための瓶、薬用の医療瓶などの需要が大半を占めていました。工業製品を手仕事で作る時代だったといえます。ところが、その様子を見ていた米軍の基地の女性方から、自国で使っていた「フルーツポンチセット」「キャンドルスタンド」「ランプシェード」「首の長いイスラム風飾り瓶」などを依頼する注文がいつしか舞い込んできます。華やかな場で使用される新しい沖縄ガラスは、アッという間に話題になって、創作ガラスや日常食器を作る工房が増えだしたのです。
その頃の職人は図面を元に、きっと見よう見まねで持っている技術を集結してリクエストに応えたのでしょう。
 









蓋のついた密閉容器が欲しいとあれば、蓋の差し込みに磨りガラスを施して、しっかりと閉まるように工夫したり、葉っぱのカタチの皿が良いといわれれば、両辺が浮かぶような軽快なデザインでおんなじカタチをたくさん作れるように金型を起こしたりします。
「なんくるないさー(何とかなるさ)」うちなーんちゅのバイタリティーあればこそ。
 
今現在の食文化や生活スタイルの変化のニーズに合わせたガラスもしかり。
沖縄は泡盛文化ですが、日本酒の徳利に変わる片口ピッチャーを作るのは「ガラス工房てとてと」「くちばしピッチャー」の名前の通り、鳥のくちばしのような片口がポイント。見た目も可愛らしく、切れ味も抜群です。
 
 
 








綺麗なモール(波線)が入った緑のピッチャーは「琉球ガラス匠工房」よく見ると底が四角なのです。角度によって表情が変わる面白いピッチャー。高さは低く口が大きいので、アイスペールにしたり、食卓で花を生けたり。光が当たる場所に置くと、虹色のようでとても美しい空間が生まれます。
 
 








フレスコのような首の長い一輪挿しは、透明ガラスの底に白い泡ガラスが被せてあります。
白い砂糖のような、スノーボールのような、シンプルですが不思議な雰囲気を持っています。
 





沖縄では蓋物のことを「タラフー」といいます。主に黒砂糖のかけらを入れておいて、お茶を飲むときにお茶菓子として勧められる容器のことです。タラフーは陶器製が多いのですが、たまにはこんな透けたタラフーもいいですね。黒砂糖だけではなく、カラフルなチョコレートやキャンデーも入れてみたくなります。
 
蓋物の蓋のパーツはとても重要です。ずれたり滑ったりしないように気を使う噛み合わせのデザインがむつかしい。それでいて上下の一体性がないとアンバランスでおかしい。いくつものパーツを作る手間もかかるので、作る人が少ないのでしょうね。蓋物好きには、心惹かれるうつわなのですけれども。
小さなものは、見立てで茶入れにすることもできます。夏の席には見た目に涼しげで風流です。
工夫ひとつで食器にも道具にもなります。遊び心でうつわを楽しんでください。