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ポンテ(吹き竿)の先の小さな手仕事の世界。
冷えて固まらないうちに手早く作る宙吹きガラスのうつわ。
以前「皿」を紹介しましたが、「鉢(ボール)」もシンプルで直径が大きくなればなるほどに難しい技術を要します。

写真の制作風景の様子は、左手でポンテを回しながら、右手で花瓶の底を平らにしているところです。
鉢を作る場合は、これを押し開いて深さを作ってやらなければなりません。
左右の手は別々の作業で、止まることなく成形してゆきます。
他にも金属でできた型に吹き込んで成形する方法もあります。






次の写真はグラスを作るところですが、型に吹き込む瞬間です。
 
 


大きな作品になると、坩堝(るつぼ)からの「玉とり」とよばれる液体のガラスを丸く取り出すいちばん最初の仕事にも大きな玉が必要になるので、安定が取りにくく大変なのです。

次の写真は坩堝の口の様子です。中には1300°C近い温度に保たれたドロドロのガラスが入っています。
白く光る黄色は高温の証拠。炎の芯の色ですね。

顔を近づけると熱いので、保護板が横に設置されています。
沖縄の「宙吹きガラス工房 虹」には、壁を飾る大きなガラスのレリーフが飾られていますが、宙吹きガラスの最大のサイズだと思います。
 
 






「工房 虹」を立ち上げた宙吹きガラスの第一人者稲嶺盛吉氏は、ガラスの表面がつや消しになって、触ると凹凸を感じられるサンドブラスト技法、気泡をたくさん攪拌(かくはん)させて、珊瑚やカレー粉などを混ぜる不思議な色の泡ガラスの技法など、他の再生ガラス工房とは違う独自の作風が魅力。

存在感のあるガラス、盛り付けると表情が変わって面白い。
*サンドブラストは細かい砂を吹き付けて、表面にキズをつける技法
 
 
 
 
 
 
他の工房のガラス鉢もご覧頂きましょう。
同じように気泡を使ったガラスでも、全然雰囲気が違います。組み合わせる色や、気泡の配分も変わります。ガラスというのは、本来透過性を持っていて、向こう側が透ける性質があります。ですが、サンドブラストや泡ガラスを分厚くすることで、陶磁器のような質感をもつ透けないガラスを作ることができます。微妙にうっすら透ける加減がニクいテクニックです。


本当にヒビ割れているわけではなく、表面の薄い層だけにヒビを入れる「クラックガラス」技法もあります。カタチが整えられたガラス作品を、まだ熱いうちに一瞬、冷水に浸けて急冷すると自然にヒビが入ります。ヒビの大きさや面積は、職人の腕次第。冷やしすぎてしまうと、今度は突き抜けて割れてしまいますので失敗作になってしまいます。
泡もヒビも光の当たり方で見え方が変わります。うつわの下に映るシルエットも楽しめます。平面的なものが立体的になったり連続性を見せたりするのです。「こうでなくてはいけない」という使い方はありません。一年間を通してガラス器を楽しんでください。