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日本はガラスを用いた美術工芸が生活に浸透しています。
ガラス美術工芸といっても装飾的なもの、鑑賞的 なもの、実用的なもの。。いろいろあります。

そんなガラスの技法で「宙吹きがラス」というジャンルがあります。皆さんもTVなどでご覧になったり、実際体験されたことがあるかもしれません。
 
 




坩堝(るつぼ)とよばれる壺にドロドロに溶けた1300°Cまで達するようなガラス液を用意して、そこからポンテ(拭き竿)の先でガラスの玉を取り、息を吹き込み膨張させながら成形するガラス技法です。固定した型にガラスを流し固めて作るのではなく、ポンテの先で常に宙に浮いてる状態なので「宙吹きガラス」といいます。

「GlasStudio 尋」
 



沖縄県では、特に盛んな宙吹きガラス。
それは、戦後の沖縄各地で、米軍基地から排出されたラムネやコーラの瓶を溶かし直してガラスを作る「再生ガラス」の産業が生み出されたからです。

今も当時とほぼ変わらない方法で再生ガラスにこだわる工房があります。または新しいカレットというガラス原料を購入して作る工房もあります。
なぜ沖縄県には吹きガラス工房が多いのか?というと、沖縄は一年を通して温暖な気候が長いので、屋外での作業が進めやすいという条件があるでしょう。
しかし、夏のガラス工房の温度は50°Cになるほど過酷な現場です。こんな涼しそうな作品を生むための環境はとっても厳しい!

職人たちは、水と塩を摂りながら暑さと戦って仕事をしています。

ベストシーズンが夏の沖縄県で見る、青い海や空のような綺麗な色のガラスは、観光土産としても魅力的です。那覇市の国際通りには、たくさんのガラス器を販売する店が軒を連ねます。旅行の際にはぜひ、工房や店でご覧ください。
 







再生ガラスの魅力についてご紹介するとすれば、不純物を含んだガラスの素材による気泡や歪み、不透明な色などでしょうか。
制作する時の温度差に弱いということもあって、ある程度厚みをもたせて作らなければ冷めて割れる可能性が高い再生ガラス。
それ故、ぽってりした表情になり、手触りや口当たりも優しいガラスになります。クリスタルのガラスとは違い、欠けにくいですし扱いが楽ちんです。気取ってないから和食器として使えます。
お菓子や酢の物などのおかずを盛り付けたりしても柔らかな印象になります。
 
 
 
 















写真の作品のうちで「再生ガラス」と「新しいカレットガラス」の違いがおわかりでしょうか?「吹きガラス工房 匠」作品(「五色の波線丸グラス」「赤と白の渦潮皿」)以外は、すべて再生ガラスです。



皿や小鉢を中心に紹介しましたが、宙吹きガラスの制作ではとても技術が必要なカタチです。
ポンテを片手で回しながら遠心力を利用して、金鋏で押し広げていく口径は、熟連の職人でもなかなか一定に揃えるのがむつかしいのです。まして、高台を作らずに水平に保つデザインは、底の仕上げをよほど丁寧にしなくてはいけません。どうしてもポンテの跡が残ってしまいますので、透明の皿などは綺麗に跡を消す仕事が大切です。
ひと昔前の沖縄のガラス工芸に比べると、今は全体的にとても正確に洗練された作風になりました。
それだけ技術もレベルが上がり、デザインについては内地(本州)の影響を受けているのだと思います。昔の沖縄ガラス、コップの底が座り悪くて転がっていってしまうようでした。まぁ、それもまた沖縄の素朴な大らかな仕事として、ほのぼのとした味わいがありましたけれど・・・